愛がなんだ

お久しぶりです。映画を見ました。

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全部が好き。
でも なんでだろう、私は彼の 恋人じゃない。

猫背でひょろひょろのマモちゃんに出会い、恋に落ちた。その時から、テルコの世界はマモちゃん一色に染まり始める。
会社の電話はとらないのに、マモちゃんからの着信には秒速で対応、呼び出されると残業もせずにさっさと退社。友達の助言も聞き流し、どこにいようと電話一本で駆けつけ(あくまでさりげなく)、平日デートに誘われれば余裕で会社をぶっちぎり、クビ寸前。
大好きだし、超幸せ。マモちゃん優しいし。
だけど。
マモちゃんは、テルコのことが好きじゃない...。

 目の前に凄腕の剣士がいるとして、私も剣を持っているとするじゃないですか。一歩踏み込めば隙と見て斬りかかってくるかもしれない、悩めばそれを見透かされ、向こうから攻め入られるかもしれない。人と一緒に映画を見てエンドロールが終わり館内が明るくなった時って、私毎回そんな気持ちになってるんですけど、友達と行ったらその通りそんな気持ちになりました。一歩間違えれば死ぬ、人生はせめぎあい。

人生の楽しみ方は1000通りあるし映画の楽しみ方は10000通りあるのを知ったうえで言うんですけど、この映画は登場人物に共感できるか否かで評価が全然変わる作品かと思います。悪い言い方をすれば、この作品の登場人物は全員、山奥の洋館で起きた殺人事件に立ち会えば「こんなところにいられるか!」と怒って部屋で一人で寝るでしょうし、「足手まといはもう嫌!役に立ちたいの!」と言って城を飛び出し主人公の旅についてきて途中で悪党に捕まるでしょう。あの頃シン・ゴジラが大ヒットしたころ叫ばれた、「登場人物に無能がいないのが良い」に反証を突き付ける、最高の無能ぶりです。恋愛とはどうして。

 冒頭、主人公のテルコはただ自分が一方的に好きなだけの、付き合っていない男から電話で「風邪を引いたからコンビニで何か買ってきて」と言われて、うどんの材料とカビキラーを購入し味噌煮込みうどんを手作りした後風呂の掃除を始め、しまいには深夜に男のアパートを追い出されます。

彼女がカビキラーを取り出す前、家で休んでいた頃。電話で呼び出した男に対し、テルコは「ちょうど会社から帰るところだから、食べるものを買ってついでに寄っていく」と言うのです。実際には今から準備して家を出るにも関わらず。

ちょうど会社から帰るところだからという言い訳と、他人の家の風呂掃除という相反する行動。どれだけ取り繕っても好きという感情のどれだけ不自然なことか。彼女にとっては好きな人と電話して夜になっても「昼寝してたからまだ眠くない」と続けるとか、友達が行けなくなったライブのチケットが一枚余ったとか、そういう恋愛進行上の細やかな嘘の果てに風呂掃除があったわけです。カビキラーと風呂掃除が。

 

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 「『愛がなんだ』が原作以上となった「3つ」の理由。1:思わずヒロインの行動に共感、応援したくなる!」を見てするな!!!!!!と叫んでしまった

ジャニオタがネタバレするKING OF PRISM -PRIDE the HERO-

 面白かった。輝いていた。最高だった。

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前作、『KING OF PRISM by PrettyRhythm』を見たとき、これは人に伝えねばならぬとジャニオタ向けに紹介文を書いた。この気持ちに偽りはないが、ただ今回はどうだろう。ジャニオタに見てほしいというのは少し違うかもしれない。会場内にジャニオタはいるが。

速水ヒロくん(このブログを見ている人にわかりやすく説明するなら、山田涼介中島健人が結婚して生まれた子供みたいな性格をしている)がプリズムキングカップというトップアイドル(作中表記:プリズムスタァ)を決めるためのフェスに挑む話だ。

この話の核となるのは、キングは何を信じるか?というところだ。何のためにスタァに、更に王へとなるのか。速水ヒロくんは、執着とプライドでスタァになった人だ。

自分のシンメ(神浜コウジくん。グループから離脱しアメリカに留学し最終的に充電する音楽の才能に満ちた男。彼女がいる)の才能を証明したいとスタァの道を一人暴走、シンメと道を違えることになった後も残りのプライドで爆走していたがある日ポッキリ折れてまたシンメに拾われるという道をたどったヒロ様は、お世辞にも精神的に安定しているスタァとは言えない。しかし元スペオキでグループ内でもエース格を務めるその才能から、事務所は彼に期待せざるを得なかった。そんな中、シンメ(神浜コウジくん。グループから離脱しアメリカに留学し最終的に充電する音楽の才能に満ちた男。彼女がいる)がアメリカに留学、所属する3人グループのもう1人のメンバー(仁科カヅキくん。有名な男オタを飼ってる)も事務所を退社してしまう。

速水ヒロくんは自分のファンを黄色のバラに見立て、多くのファンに平等にエリアファンサを行う王子様系アイドルである。彼は多くのファンに自らのエネルギー(これが有名なプリズムの煌めきです)を分け与えるが、彼はファンからエネルギーをもらっていない。(少なくとも作中にオタクを気にかけている描写はない)つまり彼にとってはメンバーの存在がエネルギーそのものであり、メンバーたちと一緒に踊れて楽しい!という思いを力に変えて我々オタクに届けてくれているに過ぎない。ちなみに彼は高校三年生の男の子だ。

この世には単独で輝けるアイドルがいる。しかしその一方で、グループ内がうまくいっていないこと、事務所の政治問題で揉めていることなどでその輝きを失いかけてしまうようなアイドルもいる。

速水ヒロくんが出場しなければならないプリズムキングカップは、グループでの出場が許されていない。彼は事務所の期待を背負い、一人でソロ曲を歌わなければいけなかった。そして彼はある決断をする。自分の煌めきでメンバーの幻影を召喚し、3人で歌いだすのだ。

これがどれだけ凄いことかといえば、ミステリーヴァージンのPVで山田涼介がじゃんぷちゃんの幻覚を全員召喚して9人で歌うとか、男 never give upで佐藤勝利が聡マリの幻覚を召喚して(キラキラした衣装付き)5人でMステ出るとかそういうレベルの話だ。

私たちは時々不安になることがある、沢山お金も貰えるから、いい生活ができるからと言ってこんなにオタクからもメディアからもその辺の人からも好き勝手言われて、それでも自担はどうしてこんなに輝いてくれるのかと。

しかし速水ヒロくんは王になる。王の孤独をはねのけて。

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市場三郎ちゃんはキュートプリンセスかわいい(※温泉宿の恋ネタバレ)

かわいい。

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すごくかわいい。

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4/22より東京グローブ座、5/13より大阪シアタードラマシティで上演される濱田くん初主演舞台「市場三郎~温泉宿の恋」に行ってきました。とっても楽しかったです!この舞台、なんといいますか、例えば私が今からここで作品の内容とストーリーをしゃべったところで、そんなことはどうでもいいんですよね。掛け合いや歌の美しさ、詰め込まれたネタの数々に魅力が詰まっているため実質的にはネタバレに意味はありません。ですから、私がこのブログで今回言いたいことはたった一つです。市場三郎ちゃんがミラクルかわいい。これです。濱田くん演じる市場三郎は、無知でポンコツな男の子です。「俺には無理ですよ~!」運送会社で奴隷のような働かされ方をしては失敗ばかり、狭い世界で生きてきたせいで、「市場生まれのこの俺が、恋なんて垢抜けたこと……」自信がなく、「色恋のほうはからっきしでーす」年齢に相応しい経験をしていません。「やめてください!俺下ネタは苦手ですー!」下ネタが嫌いで、女の子の話を振られるたび難しい顔をしてはふやふやと怒ります。

その理由は家庭環境。母が亡くなり、父に自分の仕事を継ぐものとして必要以上に厳しく育てられた三郎くんは、俗的な世間に対して無知に育ってしまい、18歳で父の元を逃げ出した後もその経験を埋められずにいました。この市場三郎という作品は、興行的にも、そしてまた現実においても、ぽえぽえな濱田くんが肯定され、上司のおじさんたちにいろいろなことを教えてもらいながら成長していく舞台だ、という作りになっている、つまりミラクルかわいい三郎くんを演じる濱田くんもまたキュートプリンセスかわいいのです。

濱田くんが濱田くんとは切り離された上で濱田くんとして肯定されている、それは我々オタクも同じです。私が劇中で最も好きなセリフは、三郎くんの先輩の方々が、彼らだけで卓球をするシーンで言う「誰も俺たちの試合なんて見たくないんだよ!この劇場ではそれが現実だ!」なんですけど、劇場ですよ劇場。「作品」ならまだしも「劇場」、グローブ座に対しての言及です。

私たちオタクは時に、というか割と常に、批判の対象になりやすい存在でもあります。しかしこの言葉が面白いのは、このセリフが投げやりでも言いわけでもなんでもないところです。演出の河原雅彦さんはパンフレットでも「グローブ座プレゼンツの公演には、今までに何度か演出家としてお世話になっています。この企画は自分にとって常にチャレンジの場」と発言されています。市場三郎関連で取材を受けた数々の雑誌に対しても、ジャニーズの主演舞台の仕事はファンが客席を埋めるため興行的な儲けを考える必要がない、自分の挑戦したい領域に挑戦できる、としているんです。オタクが「誰も俺たちの試合なんて見たくない」ことに対する肯定です。面白いですよね。

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当日券もありますよ!

キングオブプリズムを見て

キングオブプリズムを見てください。

いや皆さんがね、映画・キングオブプリズム、略してキンプリを見てくれたらね、我々だってこんなこと言わなくて済むんですよ。でもなんだかんだ言って見てないでしょ皆さん。

キングオブプリズムを見てください。

この間askにこんな質問をいただいてね、一生懸命答えたんですよ。基本的に私ツイッターにリプライ来ないから。人と会話できないから。askに「文字から滲み出る仰々しいオーラはどの様に身に付けられたのでしょうか?」とか質問きちゃうから。

答えながらね、「質問者さん、キンプリを見ればいいのに…」ってリアルで30回は思いましたよね。「キンプリを見ればこの苦しみを解決できるかもしれないのに…」「キンプリを見れば幸せになれるのに…」って。

でも今このブログを読んでる方は「キンプリってそんな恐ろしい名前!」「そもそもアニメ映画なんてとっとこハム太郎くらいしか見たことないし…」ってなってるでしょ?だから皆苦しんでるのに見に行かないんでしょ?キンプリが「偉大な社長(主宰)が死んで後継者争いになった巨大アイドル事務所(学校)が二つに分裂したあげく、アイドルを連れて片方が独立し、音楽の才能に満ちたアイドルの一人が突然アメリカへ行って最終的にグループが充電状態になる話」っていうめちゃめちゃ親近感を覚えるストーリーだって知っても見てくれないんでしょ?ごめんなさい!それは私の説明不足でした!

今まで私が、「話題になってるしなんとなくキンプリ気になるけど時間が無い!」って方々に向けてこの作品を「中島健人がいっぱいいた」とか「ジャニーズワールドを感じた」とかそういう説明しかしてこなかったのがいけないんです!ですから今日こそはちゃんとお話しさせてください!そしてキングオブプリズムを見てください。

 

そもそも映画「KING OF PRISM」って?

神浜コウジ・速水ヒロ・仁科カヅキの3名によるトップアイドルグループ「Over The Rainbow」のコンサートへ訪れた社長のスペオキ、一条シンが彼らに憧れてプリズムスタァを目指す物語です。アニメ「プリティーリズム・レインボーライブ」のスピンオフ作品ですが、そういうのは一回見てから考えればいいです。キンプリを見て、良いなと思ったらプリリズRLを見て(現在無料配信中です)、それからもう一回キンプリを見ましょう。初見の段階で全てを知っている必要はありません。私もキャラクター名を誰一人知らないまま見に行って、1か月で5回見てます(ラキセコンは9回入ったので自担の現場よりは入ってないですから!大丈夫ですから!)

映画「KING OF PRISM」を見た方がいい人

  • アイドルで苦しんでいる人/アイドルで悲しんでいる人

今アイドルに対してつらい思いを抱えているオタクの方、これはもう是非この映画を見るべきですね。それは何故か。この作品はアイドル(作中表記:プリズムスタァ)を好きになること、表現することに対する絶対的な肯定を描いているからです。美しいものを見て、人を好きになって世界が輝いて見える、その素晴らしさを誰よりも認めてくれるんですね。

  • 自担の現場がなくて暇な人

キンプリはいくつかの回において「おうえん上映」という特殊な形態で上映されています(※応援上映は他の作品でも行われています)。これは映画館で好き放題キャラクターに向かって叫んだりペンライトが振り放題、というコンサートのライブビューイング的な催しです。MC中の叫び厨、座席からはみ出ない4連うちわ、顔真似OK。普段は大人しくしている皆さんも、ここでは掲示板で叩かれる危険性を感じる必要はありません。プリティーリズム界の自担にはしゃいでみませんか!?(※持ち込んでいいものは各会場で違うため、劇場スタッフさんまでそれぞれ聞いてみてください)(どの会場でもうちわはOKです)

 

私のプリティーリズム界の自担は「Over The Rainbow」の速水ヒロくんです。

彼へのインタビュー記事はまさに「絶対アイドル」のキャッチコピーに相応しいですが、その裏には孤独な過去と家族との軋轢、デビュー直談判を抱え、それでも煌きを放ち続ける様が映画の中にも表れています。

 「Over The Rainbow」、通称オバレはその圧倒的グループ人気の影響から個人のスキルアップを図る機会が持てず、メンバーはそれに悩んでいます。「Over The Rainbow」を尊敬する先輩に挙げる新人アイドルたちはコンサートの際、オバレのオタクばかりで自分のファンが見つからないことに悩みモチベーションの低下を起こしています。悩みを抱えるアイドル、何もできないオタク。そこに現れる主宰のスペオキ・一条シンくん。同じ事務所の先輩と後輩、担降り…

ジャニオタならカタルシスを得られる展開が詰まった作品になっていると思います。「公式サイト見たけど近くに上映館無いよ」というあなた、最寄りのキンプリ上映館まで一時間以内で着くならプリズムの煌き圏内です。初めて自担を好きになったあの頃の気持ちを今、思い出してみませんか?

キングオブプリズムを見てください。

 

 

MORSE大千秋楽おめでとうポエム

オスカーとエリはキスをする。小瀧くんと水上さんはしない。

この舞台が幕を開けた初日、オスカーとエリがキスをして、私の頭からオスカーが吹っ飛んだ。えっ、この舞台が小瀧くん初のキスシーン!?添い寝するとは確かに発表があったが!いやでもブラブラの照史くんを思えば…いやまだ19歳なのに!?いや裕翔くん*1も確かに19歳の時だった……相葉さんはもうすぐ33歳でまだまともなキスシーンがないよ!?あっしてない…?してない!キスしてるふりだ!

ギリギリ背中を座席の背もたれにくっつけたままでいたところが私を人間たらしめる最後の砦レベルの動揺の中、爆発した頭で目を逸らさず二人を見つめる私に「してない」という微かな声が届いた。後ろに座っていたかわいい女の子だった。横で連番していたご友人の方に向けて叫んだだろう小さな音に、関係ないにも関わらず私は思わず大きく頷いた。あの瞬間漏れ出た「…してない!」という客席の声は、あまりにもリアルに満ちていた。知らない人間を頷かせるような力があった。めちゃめちゃエモかった。正直言って、アイドルとファンの恋が、少年とヴァンパイアの恋を超えたと思った。ステージの上で起きたことに対する反応を、ステージの上の人間が誰も超えることができないんじゃないかとどきどきした。

私は小瀧くんが好きだ。小瀧くんが愛に包まれているのが好きだ。だから小瀧くんが好きな人が好きだ。小瀧くんが好きな女の人たちが、キラキラの服を着て髪を巻いて風の音と鳥の鳴き声の中で静かに開演を待っているのが好きだ。

 

うえすとさんは週3という中々の多さでメンバーランダムのレギュラーラジオを持っている。MORSEが発表されてから、うえすとさんは何回も宣伝をしてくれた。小瀧くんがいない回でも何度だって喜んでくれた。流星くんからは「望なら愛される座長になれる」とメッセージをもらった。東京公演にメンバー全員見学に来てくれた。なんでか分からないけれど濱田くんは2回も来た。

制作発表の日、「ヤバい…ヤバい…」と呟きながら一人で控室をぐるぐる回っていた小瀧くんは、「日常生活で役作りとして意識していることはありますか?」と聞かれて「寂しくない状況を作らないことですね。友達と一緒にいるとオスカーの孤独感を味わえないと思うので、舞台が終わるまでは会わんようにしようかと。寂しがりやなんでめっちゃつらいですけど、役のために必要な経験やと思うので!」と返した。

愛される座長は今日で愛される世界に戻っていく。オスカーとして得た経験をお土産にして。

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*1:エバラ

【※MORSEネタバレ】小瀧くんが好きすぎてつらい

 

好きです。

小瀧くんのことが好きです。顔のかわいいところが好きです。とても背が高いです。おっぱいの位置が左右でずれています。演じるオスカーについて聞かれて「僕はいじめを受けたことがないので…」と言います。睫毛が長いです。好きです。屈むことが多いせいか姿勢が悪いです。涙を流すと顔が膨らみます。お尻が大きいです。アイドルにならなかったとしても、間違いなく幸せで最高の人生を歩める才能を沢山持っています。それでもアイドルをやってくれます。笑顔が素敵です。好きです。

私のMORSEが、自担の初主演舞台が、個人的に終わりました。全35公演中の4回。自分としてはなかなかの丁度良さだったなと。

 

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私は今、最後のMORSEを終えた足で跳ねるように家に帰り一心不乱に感想を書いています。内容がどんどん深夜のラブレターになっていくのを感じながらただ書いています。

オスカーには父がいません。彼のお父さんは彼氏を作って出ていきました。お母さんはアル中で、自分の男が男を作って出て行ってしまったので、オスカーの父親と男が大嫌いです。そのせいで、自分の育てた子供だけは、あんな「男」にはなるはずがないと、実の息子を理想化して依存しています。学校ではついこの間まで友人だった男の子たちからいじめを受けていて、*1 豚みたいに鳴かされたり*2 ズボンを脱がされてお尻を叩かれたりします。*3 跳び箱は飛べるのにみんなの前でやることを嫌がります。能力はあるのに自信が持てません。*4お父さんの彼氏に冷たい態度を取りお父さんから「お前は変わった。扱いづらくなった」と言われるシーンがありますが、おそらく逆です。変わってしまった相手に合わせて対応する能力がありません。

小瀧くんは相手に合わせて適切な自分を作ることに物凄く長けた人です。「流星さんのことを彼氏と言い、安井くんのことを彼女と呼ぶのんちゃん。他にも神ちゃんに甘えたり、濱ちゃんに絡んだりなのんちゃんですが、誰が本命ですか?」というドル誌のお便りに「だれだれが本命とか、そういうことじゃないねん。流星と一緒の時は俺が彼女。安井くんの時は俺が彼氏。神ちゃんは俺のオモチャ。濱ちゃんは俺の兄貴。本命とかじゃなくて、どういう関係性かっていうことやねん。だから一番とかはないよ」と答えたりします。接した相手に優劣をつけることをしません。

12歳のオスカーにはそれが出来ませんでした。いじめっ子の少年たちだって、半年前までは一緒に遊んでいた友達です。パパとママは昔は仲が良かったはずでした。主犯格でない、自分がいじめられないためにいじめに加担している少年に「お前は自分で自分の立場を悪くしてる」と行動の抑制を勧められても「分かってる」と反発してしまうのは、自分が正しくて相手が間違っていると思っているからに他なりません。父の恋人に冷たい態度をとれば、父が自分をどう思うかも当然理解しているはずです。それでもそんな行動をとったのは、本当は僕を一番に優先してほしい、僕のことを分かってほしいから。そしてその思いが通じたのは結局エリだけでした。

小瀧くんは世界中の人々の幸せと夢と希望と才能と桃の缶詰を一緒に鍋で煮詰めたような人です。顔が綺麗で体躯に恵まれ高いコミュニケーション能力と目標に向かい努力を続けられる才能を持ち、沢山の人に愛されおモテになっていることを我々に朗らかに教えてくれます。小瀧くんには鼻を鳴らす癖があります。すんすん、すんすんすんすんすんすん、ぐらいの勢いで何もないときにも無意識に鳴らしています。*5 オスカーは匂いを嗅ぐ癖があります。エリの匂い、母が作ってくれた料理、エリが渡してくれた服。オスカーがその動作を取るたび、私は小瀧くんとオスカーが混じり合っているような気がしてならないのでした。

「小瀧くんが演じるオスカー」は、太っていません。運動が出来ます。本を読むことが好きです。水中で息を止めることは、「普通」に出来ます。では、なんでいじめられているのでしょう?

 

「エリ」は本当は男の子です。舞台中でもそれがしっかりと明言されます。エリは日光を浴びると死んでしまいます。誰か協力してくれる人がいないと昼間には動けません。12歳の少年が少女になった理由は明かされません。それでも、彼が少女として現在を生きることを選んだ理由の一つには、その方が「守られなければ生きていけない自分」にとって都合がよかったというのがあるだろうとは思います。エリは生きるために自分の性別を手放しました。自分を女にしても、お姫様になってもかまわないからオスカーを繋ぎ留めたいとそう思いました。

右足首と背中に傷があります。水着のシーンで屈むとパンツの線が見えます。肘の裏にほくろが二つあります。左腕にハンコ注射の跡があります。好きです。ただ、好きです。

 

 

*1:性的です

*2:性的です

*3:性的です

*4:原作のオスカーは本当に貧弱でちょっとどんくさいぐらいの男の子だったと思うのですが、小瀧くんが演じるにあたって「出来るけどその力を周りに見せたがらない」子供に変更されたのはちょっと面白いな、と思いました。好きです。

*5:本人談

【※MORSEネタバレ】小瀧くんは服を脱いだら裸だった

※原作小説・映画共に未読(これから見る)

※舞台見てないけど見に行く予定のない人のためのあらすじ

  • いじめっ子「おしりぺんぺん」
  • 小瀧くん「えーん><」
  • 隣に住んでるエリちゃん「反撃したら?」
  • 小瀧くん「分かった。えいっ」
  • いじめっ子「ギャーーー」
  • いじめっ子の兄「殺すぞオラ」
  • 実は吸血鬼だったエリちゃん「がぶっ」
  • いじめっ子の兄「ギャーーー」
  • 小瀧くん「逃げよう」
  • キモオタとしてすごく共感できるホーカンさん「エリはマジ天使」

 

 

小瀧くんの主演舞台MORSEが、とうとう昨日初日を迎えました。自担の主演舞台って皆さん経験されたことあります?私は初めてです。公演当日新宿まで出た瞬間緊張しすぎて体調不良になりルミネのトイレ占拠してました。新大久保の街もめっちゃギクシャクしながら歩きました。グローブ座に向かう途中でHey! Say!JUMPちゃんのセブンイレブンのくじ引いたら面白いんじゃないかと思って探してたんですけど(人生の判断基準を面白そうかどうかで決めている)コーナーに小瀧担のお姉さんたちが群がってただけでくじを導入している店が見つかりませんでした。無念。

 

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いやー、小瀧くんってデカいじゃないですか。身長184cm、体重はこの間70kgって言ってましたっけ。スラムダンクかよっていう。黒子のバスケだったら常識の範囲ですかね。小瀧くん本人も、会見などで「12歳の雰囲気が出ていましたか?身長が184cmあるので、最初に聞いた時はキャスティングミスかと思いました」なんて言ったりしているんですが、いやはやこれが大変よく似合っている。正確に言えば12歳のいじめられっこの男の子である主人公・オスカーが小瀧くんのためにカスタマイズされているとでもいうのでしょうか。

具体的に言いますと、まずは冒頭のシーン。近くに出没した「豚を屠殺するように血を流させて人を殺す殺人鬼」のニュースを見たオスカーの母は、外へ出かける息子を心配して帽子を被せてあげようとするのですが、届かない。

小瀧くんがしゃがんであげて、被せてもらいます。開幕からこれ。

そう、この舞台、すごく難しいんです。小瀧くんに対する萌え要素の噛み砕き方が的確すぎるんですよね。隠れられそうで隠れてない、絶妙なサイズの箱の陰で様子をうかがう小瀧くん、跳び箱を飛んでお尻に挟まる体操服。プールの中でいじめっこに頭を押さえつけられ、ふわりとまくれ上がる水着から見える足。涙がこぼれる度やっぱりなんか丸くなっていく頬。ズボンを下ろされ四つん這いで無理やりお尻を叩かれ、冬の設定で厚い服を着ているにも関わらず、直前のプールシーンで拭いきれなかった水が髪からそっと滴り落ちるさま。新規の私が短い期間に学んできた、あ、これはみんな好きそう、というラインをナイフで次々と刺していくのと並行して、ピュアで物悲しいストーリーが進みます。

ジャニーズ主演の舞台なんてどうせイケメン目当てなんでしょ?(私はこの考え方も嫌いですよ。まず根本的にイケメン目当てに舞台来たっていいだろ!!!)という甘さを一切許さない、言うなれば本気の、全身全霊で練りこまれたファンサービス。そして切ないラブストーリー。まるで己の精神が分裂していくような感覚で、見終わった後はとにかく疲れます。ストーリーをきちんと追っている私が小瀧くんの繊細な表情と演技に泣いている一方、キモオタの私が小瀧くんの露わになったふとももを防振双眼鏡でガン見しながら号泣している女という自分を傍目から冷静に見つめているような、なんともいえない気持ちになるからですかね。そう、知っていますか皆さん。真面目に聞いていただきたいんですけど、小瀧くんって実は服を脱いだら裸なんですよ。めちゃくちゃエロいですよね。いやいや、このブログを見ていただいている方、何人いらっしゃるか分かりませんが、あなたは本当に「人は服を脱いだら裸だ」ということを意識して生きていますか。私は昨日、このMORSEという舞台を見て初めて、その意味をきちんと理解しました。人は、服を脱いだら裸なんです。

 

我々ジャニオタは普段、ジャニーズが服を脱いだらキャーと言えという規範の元で生きています。かっこよく美しい男の子が、我々を喜ばせようと思い行動を起こしてくれたことに対する感謝、そして称賛の意味を込めて歓声を送っているわけです。

舞台中小瀧くんは、もう尋常じゃない数脱ぎます。無理やり脱がされたりもします。本当に冬がテーマなんだよね?海で起こったひと夏の恋ってわけじゃないんだよね?って疑問に思うくらい脱ぎます。いじめっ子の裸を見せられかけたりもします。ヒロインのエリちゃんも脱ぎます。その中で気付くのは、いじめられっ子の少年が、一枚一枚、誰に見せるわけでもなく服を脱いでいくさまの、なんと貧相なことでしょう。確かにその身体は小瀧くんなのです。なんといっても乳首がずれていますし(※小瀧くんは左乳首に比べ右乳首が指一本ほど下に存在しています)、にも関わらず服を脱ぐということが、こんなにも弱く見えるかと。我々は日常的にイケてる少年たちが上半身あけっぴろげているのを特にありがたがることもなく摂取していますが、本来裸というものは親しい人間のものしか見ることができません。それから外れたとき、服をまとわない姿というのはどういう意味になるかなんてことを、ちょっと改めて考えたりしました。

あとはなんでしょうね、MORSEという舞台のそこかしこから、いい意味で小瀧くんを感じるんですよ。もちろん演技をしていて、小瀧くんはオスカーという少年にちゃんと見えるし(でもエリ役の水上京香さんはもっと幼い子供に見える、このひとすごい!あと美人!)、場にもなじんでいるんですけど……新聞などでも採用されてて小瀧くんが割と前から言っているプールのシーン、いじめっ子のお兄ちゃんにプールに落とされてから、およそ一分。エリが助けてくれるまで、本当に水の中で沈んでいなければいけない。オスカーにとっては突然で恐ろしい事件。でも、小瀧くんにとっては一か月練習し続けてきた山場。頭を押さえつけられる寸前、落ち着いて、でも少し慌てたような顔で、水面を見つめて大きく大きく息を吸うんです。その瞬間、小瀧くんも、初日からキャメルのコートに茶髪巻いてハーフアップにビッチリ整えてきた小瀧担たちも、オスカーをおそらく忘れている。その光景にいちばんぐっと来てしまった自分がいるんですよね……そうでしたそうでした、小瀧くんの初主演舞台、一番最初のセリフ、気になりませんか?この舞台の幕を開くのはガラスケースの中に前述のとおりパンツ一枚で閉じこもったオスカーが中央で、客席に向かって叫ぶ、

「何見てんだよ、豚!!!」です。

面白くないですか?誰に向かって言っているんでしょうね。

 

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当日券はまだありますよ!私も当日券で初日入りました!